大阪地方裁判所 昭和31年(ワ)1764号 判決
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〔事実と判断〕原告楠公院正行教会(代表者住職若林昭佑)は本件土地を他より買受けてその所有権を取得し、又右土地上に本件建物を建築してその所有権を取得したが、登記名義は 原告が法人格を有しないため、いずれも代表者である補助参加人若林昭佑の名義にしておいたところ、原告不知の間にいずれも被告等のために所有権移転登記等がなされているとして、原告は被告等に対し、その所有権の確認と右所有権移転登記等の抹消手続を請求したのに対し、被告等は、原告は民事訴訟法第四六条に所謂代表者の定めのある法人格なき社団であるが、右のような社団は民事訴訟法上は法人と同様当事者能力を認められているけれども、権利能力を有せず又不動産登記については権利者となることは、現行法上許されていないから、原告が自ら本件土地建物につき所有権の確認を求め又登記手続を求めることは理由なきものとして棄却さるべきであると反論した事案につき、裁判所は次のとおり判示した。
「代表者の定めのある法人格なき社団が自己が所有権の主体であることの確認を求めうるか又登記請求権を有するかについて判断するに、右のような法人でない社団が民事訴訟法上当事者能力が認められる以上、訴訟を通じて権利の主体となることができるものと解されるので、原告が自己が所有権を有することの確認を求めることができるわけである。しかしながら、不動産登記法上登記権利者又は登記義務者となりうるのは、法的に人格を有するものに限られるから、代表者の定めのある法人格なき社団は登記請求権を有せず、したがつて、原告も自らその固有の地位において、抹消登記請求をなすことは許されないものといわなければならない。しかし、原告は本件土地並びに本件建物の登記簿上の所有名義を信託的にその代表者である補助参加人名義になしたものであるから、原告は信託者として補助参加人に代位して抹消登記請求をなすことができる。」